2026年4月4日(土)、新宿歌舞伎町能舞台で5月31(日)まで開催予定の春画展『葛飾北斎・渓斎英泉 艶くらべ ー歌舞伎町花盛りー』に行ってきました。
べたきち夫婦は、2025年の第1弾『春画展(過去記事)』も観覧しており、今回で2回目の訪問です。
『春画(しゅんが)』とは、江戸時代を中心に制作された、性的な描写を含む浮世絵や絵巻のこと。
本展は、世界に誇る浮世絵師『葛飾北斎(1760~1849年)』と、その画風を学び妖艶な美人画を得意とした『渓斎英泉(1791~1848年)』の2人に焦点を当てた内容となっています。
映画『おーい、応為(過去記事)』で、『渓斎英泉』が春画を得意とすることを示すシーンが印象に残っており、いつかその作品を実際に観てみたいと思っていました。
会場では、2人の春画を見比べながら、それぞれの表現の違いや魅力をじっくりと楽しむことができます。
特に、本展の目玉である葛飾北斎の『蛸と海女』を間近で観賞できたことには、大きな感動がありました。
ぜひこの貴重な機会に、“タコの艶めかしさ”も含めて、その魅力を体感してみてください。
その他にも、思わずクスッとしたり、なるほどと唸ったりと、発見の連続で見どころの多い展覧会でした。
本記事では、実際に訪れて感じた見どころや混雑状況、バリアフリー情報などを、べたきちの視点でご紹介します。
浮世絵や春画が好きな方はもちろん、江戸文化に触れたい方、大河『べらぼう』や映画『おーい、応為』を観た方、日本文化に関心のあるすべての方におすすめです。
他のミュージアムの記事、浮世絵の記事、べらぼうの記事、障がい者割引の記事はこちら。
トップ画像は、渓斎英泉『色指南(1823年)』色摺中本
※写真撮影は可能ですが、フラッシュの使用は禁止です。
※本記事には、性描写のある写真が含まれます。閲覧は自己責任でお願いします。
※18歳未満は入場できません。
※訪問前は『新宿歌舞伎町春画展』公式サイトで最新の情報を確認してください。
※記事内の情報・価格は、訪問当時のものです。


アクセス・バリアフリー情報
より詳しい情報は、前回訪問した『春画展(過去記事)』をご覧ください。
アクセス

第1会場へは、東京メトロ丸ノ内線・副都心線・都営新宿線「新宿三丁目駅」E1出口、または西武新宿線「西武新宿駅」北口から徒歩でアクセスできます。
もし迷った場合は、「HOTEL D-WAVE」を目印にすると、その反対側に展覧会の大きな看板が見えます。
第1会場から第2会場までは約100m、徒歩3分ほど。
第1会場観覧後に、スタッフの方から第2会場までの地図もいただけるので、安心です。(※経路は記事最後のGoogleマップをご覧ください)。
バリアフリー情報
第1会場・第2会場ともに、会場内はおおむね平坦でバリアフリー対応されており、大きな不便はありませんでした。
ただし、能舞台には靴を脱いで上る必要があるなど、車いすの方には一部鑑賞しづらい箇所があります。
不安な点がある方は、事前に運営に連絡することをおすすめします。
詳細は『春画展(過去記事)』の【バリアフリー情報】の項目をご確認ください。
料金・障がい者割引など
料金
| 当日券 | |
| 一般(18歳以上) | 2,200円 |
| 学生 | 1,500円 |
事前予約制(日付指定制)が導入されています。オンラインページから「日付指定券」を購入してください。
時間の指定はなく、都合のいい時間帯に観覧できます。
当日でも、時間枠に空きがあれば、事前予約なしで入館可能です。
学生の方は、受付で学生証の提示が必要です。
障がい者割引
障がい者手帳・指定難病受給者証の所持者とその介添者1名は無料です(大感謝)。
こちらも、オンラインページから、【障がい者手帳をお持ちの方向け】の「日付指定券(無料)」を事前に取得しておくと安心です。
車いす貸出
車いすの貸出はありません。
ただし、車いすユーザーの方でも、鑑賞することは可能です。
混雑状況・所要時間


混雑状況
土曜日の17時45分頃に入館しましたが、第1会場・第2会場ともに混雑しておらず、ゆったりと観覧できました。
来場者は学生から紳士淑女まで幅広い年齢層で、特に女性のお一人様が多い印象でした。
所要時間
第1・第2会場の全てを合わせて、17時45分から19時30分までの約1時間45分かけて観覧しました。
今回は前回よりもじっくり見たため、やや時間がかかりましたが、私たちにはちょうど良いボリュームでした。
ただし、週末に訪れる方、グッズショップでじっくり選びたい方、浮世絵・春画が特に好きな方は、もう少し余裕を見ておくと安心です。
べたきち的見どころ

『渓斎英泉』の作品が多めになっています。
北斎の名春画!《蛸と海女》葛飾北斎

『蛸と海女』の大ダコ

『蛸と海女』の小ダコ
本展の目玉作品、葛飾北斎による世界的に有名な春画『蛸と海女』。
タコの生々しい様子が力強く表現されていて、インパクト抜群!
私たちは訪問直前に映画『春画先生(2023年)』を視聴していたこともあり、作中に登場した本作の実物を間近に見られたことに、大きな感動がありました。
作品保護のため展示は期間限定で、前期は4月4日(土)~4月12日(日)【4月19日(日)まで延長】、後期は5月1日(金)~5月10日(日)の予定です。
ぜひこの貴重な機会に、“タコ”に会いに行ってみてください。

ちなみに、本作に描かれているタコは、吸盤の大きさがほぼ同じことから「メスではないか」とする説があるそうです。
また、種類の記載はありませんが、べたきちとしては、一般的で東京近郊でも漁獲量の多い「マダコ」だと思います。
皆さんはどう思われますか?このようにタコにこだわって観賞するのもおもしろいですよ!

2026年3月 浜名湖体験学習施設ウォットにて撮影
なお、映画『春画先生』(R15+)は、Amazonプライム、U-NEXT、Hulu、Netflix、FODプレミアムなどで追加料金なしで視聴可能です(2026年4月15日調べ)。
『蛸と海女』比べ!《様々な表現》

中央 葛飾北斎『喜能会之故真通 下』1814年
右 勝川春潮『艷本千夜多女志』1786年


『蛸と海女』というモチーフは、なんと『日本書紀』にまで遡るとのこと!
その長い歴史と由緒の正しさには驚かされます。
本展では、北斎に先んじて制作された、北尾重政の『謡曲色番組(1781年)』や勝川春潮の『艷本千夜多女志(1786年)』、さらに北斎以後の作品まで、連綿と続く表現の流れを一望できます。
べたきちとしては、『歌川国芳』のタコ(左下の写真)も好みでした。

2008年撮影

べらぼう!?《誰袖》渓斎英泉

べた妻も大喜び!
2025年の大河ドラマ『べらぼう』で、福原遥さんが演じた花魁『誰袖』の錦絵に出会えたのは、大きな喜びでした。
渓斎英泉の人物表現について、スタッフの方から「左右の黒目の位置が微妙に異なり観覧者と目が合わない」、「通った鼻筋に、やや上向きの唇が特徴」と教えていただき、とても興味深く観賞できました(大感謝!)。
他の『べらぼう』関連記事も、ぜひあわせてご覧ください。

行ったことある!?《四季の名所》渓斎英泉


渓斎英泉の『四季の名所』シリーズには、べたきちがこれまで訪れた場所も描かれていました。
さまざまな名所で、こんな逢瀬があったのかと思うと、なんとも関心をそそられますね。

いい雰囲気!?《あぶな絵の数々》渓斎英泉



渓斎英泉が手がけた『あぶな絵』は、男女の親密な場面を控えめに描いた浮世絵。
直接的な性描写を避けつつ、しぐさや雰囲気で艶やかさを表現しているのが特徴で、江戸時代の男女の“いい雰囲気”を垣間見ることができました。
顔に注目!《様々な表情》

悪い顔選手権優勝!

熟女が襲いかかる⋯

頭にロウソク!?

モテる男は辛いね!

高利貸しの座頭と娘

『女護島』の2人の女性
顔に注目して観賞してみると、実に興味深い表情の数々に気づかされます。
葛飾北斎の『津満嘉佐根(1818年)』(写真左下)では、高利貸しの座頭と娘の対照的な表情、そして枕元に置かれた小判が、娘の置かれた状況を生々しく物語っています。
また同作(右下)の『女護島』は、マンガ『ONE PIECE』にも『女ヶ島』として登場しており、思わぬつながりに驚かされました。
この2人の女性の表情が何を意味しているのか──気になる方は、ぜひ会場で確かめてみてください。
性の百科全書!《枕文庫》渓斎英泉

外国人が!

渓斎英泉による『枕文庫』は、当時の健康思想や中国由来の性・医学知識を取り入れ、医学書に見立てて作られた『性の百科全書』とも称される春画。
淡い彩色による簡潔な表現で制作コストを抑えたことで、庶民にも広く普及しました。
『性の百科全書』がベストセラーになるとは、江戸時代の性的知識の水準の高さを感じさせます(笑)。
限定品も!《グッズショップ》

最後に
今回の『葛飾北斎・渓斎英泉 艶くらべ』では、春画を通して江戸の人々の価値観や美意識、そして変わらぬ人間らしさに触れることができました。
北斎と英泉、それぞれの個性や表現の違いを見比べる楽しさがあり、見ていて飽きることがありませんでした。
タコや人物の表情に注目してみるのもおすすめです。
少しドキッとしつつも、どこかユーモラスで奥深い春画の世界。ぜひ会場を訪れて、その魅力を体感してみてください。
『春画先生』のように、沼にハマり過ぎないように気を付けないと⋯(笑)。
まだまだいっぱい見どころはあるので、ぜひ現地で個人的見どころを発見してください!

他のミュージアムの記事、浮世絵の記事、べらぼうの記事、障がい者割引の記事もご覧ください。
開催情報
| 名称 | 『葛飾北斎・渓斎英泉 艶くらべ ー歌舞伎町花盛りー』 |
| 第1会場 | 新宿歌舞伎町能舞台 新宿区歌舞伎町2-9-18ライオンズプラザ新宿2階 |
| 第2会場 | 第2会場+グッズショップ 新宿区歌舞伎町1-2-15歌舞伎ソシアルビル9階 |
| 会期 | 2026年4月4日(土)〜5月31日(日) ※《蛸と海女》は期間限定 |
| 開館時間 | 通常:11時~19時 金・土曜:11時~21時 ※入場は閉館時間の30分前まで ※5月31日(日)のみ17時閉館 |
| 休館日 | なし 会期中無休 |
| 入館料 ※当日券 | 日付指定制 一般:2200円、学生:1,500円 ※障がい者手帳・指定難病受給者証の所持者とその介添者1名無料 |
| 特記事項 | 18歳未満入場不可 |
| 公式URL | https://www.smappa.net/shunga/ |
最後までお読みいただきありがとうございました。ソークディー!










