国立科学博物館企画展『貝類展:人はなぜ貝に魅せられるのか』│車いす、混雑具合、所要時間など

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貝類展の看板

2024/12/1(日)、上野国立科学博物館『企画展「貝類展:人はなぜ貝に魅せられるのか」』に行ってきました。

べたきちはそんなに詳しくはないですが、南の島に暮らして魚の研究をしていた大学院生の時は、ヤコウガイやシャコガイを食べていたので貝は身近でした。

我が家にもヤコウガイやタカラガイの貝殻、ハマグリの貝合わせなどが置いてあります。

鑑賞し終わったら、ツブガイやサザエを食べたくなりました。

今展示は貝類標本を600種以上ということで、とにかく貝類に溢れていました。

小さな貝から大きな貝、きれいな貝殻、貝殻をなくした貝など色々な貝類と人との関わりについて勉強、鑑賞することができます。

常設展のみの入館料で見ることできる企画展ですが、展示者の方の気合いをかなり感じました!

貝が好きな方はもちろん、きれいなものが好きな方、貝類の新たな魅了を知りたい方におすすめです。

健常者も障がい者も、鑑賞する際の参考にしていただけると幸いです。

※行く前は公式サイトで最新の情報を確認してください。

科博横にあるシロナガスクジラ像
シロナガスクジラと紅葉のコントラストがとてもきれい 紅葉を見がてら行ってみよう!

同日に上野公園で催されていた『錦鯉品評会』にも行ってきました。

別記事で詳しく書いたので、ぜひ御覧ください。

目次

料金・車いす

障がい者割引 0円×2 (通常は630円 常設展示入館料のみ)

車いすの貸出は無料です(感謝)。

車いすは、入口総合案内所のスタッフの方から借りられます。

総合案内所前の車いす

混雑具合・所要時間

12/1(日)の15時30分頃から見て回りました。

混雑している展示通路
展示の通路は狭い…

展示は両側にありますが、通路は狭く車いすでは進むことが難しいほど混雑していました。

べたきちは多少歩くことができるので、途中で降りて鑑賞しました。

歩くことが難しい方は、可能なら平日に行くのがいいと思います。

また、基本的には車いすで鑑賞できる展示の高さですが、一部は標本名が見えないなどの部分もあります。

展示スペースは企画展示室の1部屋なので、特別展と比べて大きくはないです。

所要時間は軽めなら1時間、ゆっくり見たい方は2時間は必要かと思います。

べたきち達は1時間半で丁度良かったです。

べたきち的見どころ

ダイオウイカ

ホールに展示されているダイオウイカ
一階ホールにドンと展示されているダイオウイカ

正直言って、これだけでも十分に見る価値があると思います!

イカじゃん!貝類じゃないじゃん!と思ったそこの貴方、きっと展示者の思惑にはまっていますよ!

軟体動物門内の8綱の系統樹
パンフレットより かなり読み応えがあります!

イカ(頭足綱の一種)も貝殻を失った貝類(軟体動物門)の仲間として分類されています。

常設展示にもダイオウイカの標本はありますが、こんなに大きくありません。

ダイオウイカは世界最大の目を持つと言われており、このギョロリとした目に睨まれたらひとたまりもないですね!

巨大動物好きな貴方、この迫力をぜひその目で確認してください!

ダイオウイカの触腕
ダイオウイカに触腕の標本

頭足綱の仲間達

いわゆるイカ・タコの仲間達です。

オウムガイは殻を持ちますが、イカは体の内部の一部として、そしてタコでは完全に殻がなくなっています。

ちなみに、頭足綱(とうそくこう)というように、これらの仲間は、頭と足がくっついています。

たこ焼き屋で見るタコのイラスト

たこ焼き屋のイラストで鉢巻を巻いている部分は胴体で、内臓が入っています。

標本として展示する場合は、上から下へ足、頭、胴体となっています。

オウムガイ、イカ、タコの標本
左側からオウムガイ、イカ、タコの仲間の標本

普段の私たちの認識とは逆なのが面白いですね!

また、イカ・タコでは、1つの心臓と2つの鰓(えら)心臓の合計3つの心臓を持ちます。

釣りをする方は、釣った後新鮮なうちにさばくと3つの心臓を確認することができますよ。

メノウアフリカマイマイ

カタツムリの中で最大の種と言われている

近年、日本でも沖縄、奄美群島などで問題になっているアフリカマイマイ、その中でも最大の種がこのメノウアフリカマイマイです

沖縄には戦前に食用目的で持ち込まれ、食糧難の時代にはかなり食べられたようです。

しかし、寄生虫である広東住血吸虫の中間宿主であり、人が素手で触れて感染すると脳障害を起こして死んでしまうことがあります。

人間の手で持ち込まれ、一時は人間の食糧となり人命を助け、そしてまた怖れられ駆除の対象となる⋯。

このきれいな殻を見ながら、アフリカマイマイの悲哀に思いを馳せるのもいいかも知れません。

ニシキマクラ

べたきち妻が気に入っていました。

貝殻の模様が幾何学的で、人工的に書いたものだと思ったそうです。

この貝殻だけではないですが、自然の造形美には驚かされることばかりですね。

600種の標本の中から、お気に入りの貝を見つけてみるのも楽しいですね!

カタツムリの貝殻の巻き方比較

最近読んだ『千葉聡 進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語 (ブルーバックス 2125)』に、カタツムリの巻き方の進化について書いてある部分があったので、特に興味深く鑑賞しました。

巻き方の左右が異なると同種内でも交接出来ず、子孫が残せません。

突然変異で左巻きになってしまったカタツムリの配偶相手探しに奮闘する物語や著者のフィールドワーク、研究生活についてなど、とても読みやすく書かれているので、興味を持った方はぜひ手にとってみてください。

右巻きのカタツムリと左巻きのカタツムリ
上段 右巻きのカタツムリ   下段 左巻きのカタツムリ

地球上の巻貝の9割以上は右巻きで、日本に生息するカタツムリの大部分も右巻きだそうです。

今展示では、左巻きへの進化が、右巻きのカタツムリを専門的に捕食するヘビから逃れる方向へ起こったのではないか、という研究内容が紹介されています。

進化は現在進行形で起こっている、ということを実感させてくれる展示です。

カラフルな貝殻達

色彩豊かなイモガイ、カラフルなヒオウギガイなとの展示
左側からイモガイ、ヒオウギガイ、外国産のカタツムリなど

まるで着色されたかのような色合いの貝殻や幾何学的な模様の貝殻が並んでいます。

イモガイの中には、沖縄に生息するアンボイナガイのような人が刺されると死んでしまうことある猛毒を持った種もいるので聞いたことがある人もいるかも知れません。

海ではこのような形の貝は、絶対に触らないようにしましょう!

ヒオウギガイのカラフルな色はずっと見ていても飽きないですね。

Googleによると『外敵から身を守るためにサンゴなどの保護色に変化したという説が有力』とのことですが、砂の中で生息しているため貝殻の色がなぜこんなに多様なのか、まだ謎のようです。

今後の研究に期待ですね!

装飾品にされる貝殻達

真珠をつくるアコヤガイ(中央上)

ずっと人類を魅了してきた真珠。

殻をもつ貝類は全て真珠を生み出す可能性があるそうですが、特に真珠の母貝として有名なアコヤガイやシロチョウガイなどが展示されています。

ちなみに真珠で有名なMIKIMOTOの創業者御木本幸吉が、明治時代に養殖技術を確立しました。

べたきち夫婦も数年前に三重県鳥羽市のミキモト真珠島に行ってきました。

真珠の養殖の歴史や海女さんの活動などを見ることができて、真珠に対する見方が変わりますよ!

伊勢半島に行くことがあれば、鳥羽水族館とセットで行くことをおすすめします。

偉人達と貝

アイザック・ニュートンの言葉
アイザック・ニュートンの言葉

偉人達の貝類にまつわる言葉があちこち工夫を凝らして展示してあり、展示者の遊び心が感じられます。

過去の偉人達も貝類が好きだったのかな、と夢想しながら見てみるのもいいですね。

開催情報

企画展名称「貝類展:人はなぜ貝に魅せられるのか」
開催期間2024(令和6)年11月26日(火)~
2025(令和7)年3月2日(日)
開催場所日本館1階 企画展示室、中央ホール
開館時間9時~17時 ※入館は閉館時刻の30分前まで
休館日月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)、
12月28日(土)~1月1日(水・祝)
※ただし12月23日(月)、2月17日(月)は開館
入館料一般・大学生630円(団体510円)
※常設展示入館料のみでご覧いただけます。
※団体は20名以上。
※高校生以下および65歳以上は無料
公式URLhttps://www.kahaku.go.jp/event/2024/11shells/
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