2025年3月7日公開の映画『ウィキッド ふたりの魔女』日本語吹替版を見に行きました。
べたきちは、幼少期からジュディ・ガーランド主演の1939年公開の映画『オズの魔法使』を繰り返し観て、親しんできました。
北は『善い魔女』、西は『悪い魔女』ということに何の疑問も持たず、西の魔女が最終的には倒されることは当然のこととして受け入れてきました。
しかし、知られざる2人の過去が明かされた鑑賞後には、その『善い』、『悪い』の価値観が揺らぎました。『善い』、『悪い』を決めるのは、あくまで主観であって、絶対的なものではない…。
むしろ、映画『オズの魔法使』での北の魔女の言動に、疑問と恐ろしさを感じました。エルファバめっちゃかわいそう…!
映画『オズの魔法使』のファンはもちろんのこと、ファンタジー好き、ミュージカル好き、ディズニー映画好き、かわいい衣装好きなどあらゆる方におすすめです。
ちなみに『ウィキッド ふたりの魔女』はパート1。パート2の『ウィキッド フォー・グッド(原題)』はアメリカで2025年11月21日に公開予定。
今からパート2の公開が楽しみです!

少し映画情報
舞台は、ドロシーがやってくる前のオズの世界。後の『悪い魔女』エルファバと、後の『善い魔女』グリンダの出会いから、その後の大学生活を中心に描きます。
魔法と幻想の国オズにある<シズ大学>で出会ったふたり― 誰よりも優しく聡明でありながら家族や周囲から疎まれ孤独なエルファバと、誰よりも愛され特別であることを望むみんなの人気者グリンダは、大学の寮で偶然ルームメイトに。見た目も性格も、そして魔法の才能もまるで異なるふたりは反発し合うが、互いの本当の姿を知っていくにつれかけがえのない友情を築いていく。
ある日、誰もが憧れる偉大なオズの魔法使いに特別な力を見出されたエルファバは、グリンダとともに彼が司るエメラルドシティへ旅立ち、そこでオズに隠され続けていた“ある秘密”を知る。それは、世界を、そしてふたりの運命を永遠に変えてしまうものだった…。
Wicked│STORY
エルファバ役は実力派俳優『シンシア・エリヴォ』、グリンダ役には世界的歌手『アリアナ・グランデ』。
『アリアナ・グランデ』は、2017年公開の実写版ディズニー映画『美女と野獣』のテーマ曲「Beauty and the Beast」を歌っているので、普段洋楽を聴かない方でも、聴き覚えがあるかもしれません。
日本語吹替には、エルファバ役『高畑充希』、グリンダ役『清水美依紗』とともにミュージカル俳優としても活躍しており、歌唱力も抜群のお二人。
上映時間は161分。
事前知識は必要か?
何も知らなくても十分に楽しめると思いますが、映画『オズの魔法使』を観ておくとより深く理解できると思います。
実際に、私達は事前に映画『オズの魔法使』を見返しました。U-NEXTなら追加料金なく鑑賞できましたよ。
Amazonプライムは440円でレンタルしていました(2025年3月13日調べ)。
ちなみに、私達はミュージカル舞台『ウィキッド』は未鑑賞です。
字幕か吹替版か?
悩ましい選択ですが、私達は映像をじっくりと見たいため吹替版にしました。
以前は私は完全に字幕派だったのですが、日本の声優陣の素晴らしさに感動し、最近はもっぱら吹替派です。歌もめっちゃ良かったです!
『シンシア・エリヴォ』と『アリアナ・グランデ』の歌を聴きたい方、IMAXで観賞したい方は字幕でどうぞ。
料金・混雑具合
上映時間が161分もあるため、快適さを重視してプレミア ボックス シートにしました。
障がい者割引 1,000円×2 (通常は2,000円)
プレミア ボックス シート 1,000円×2
世界的に大ヒットしている本作だけあり、ほぼ満席でした。
また、お子さん連れはあまり多くなく、大人がほとんどでした。ダークファンタジー要素が多いためかと思います。
べたきち的見どころ(ネタバレあり
)あくまでも、べたきちの個人的視点ですので、気分を害さずにお願いします。
様々な設定と今後へ続く謎
映画『オズの魔法使』での設定やその由来が、本作では次々と明かされていきます。
例えば、エメラルドシティへ道がなぜ黄色なのか、エルファバの尖り帽子由来、なぜホウキで空を飛ぶのか、エルファバの手下のサルに羽が生えている理由等など。
映画『オズの魔法使』の老舗ファンには、たまりませんね!
パート2ではさらに、エルファバとグリンダのさらなる対立の行方、エルファバの妹も魔女になるのか、エルファバがなぜ水に弱いのか…などが明かされていくのか期待です。

障がい者的視点
本作では、目を背けたくなるような、見た目による差別や偏見が作中を通して描かれています。エルファバが受けた苦悩を考えると胸が痛くなります。
車いすをたまに使用するべたきちにとっては、車いすユーザーであるエルファバの妹ネッサローズが、特に気になりました。
ネッサローズは、足が不自由ですが、自分でなんとかしようとする自立心が人一倍強い点が魅力です。
このネッサローズを演じた『マリッサ・ボーディ』もまた、交通事故による後遺症のため、本当の車いすユーザーだと知った時は衝撃でした(シネマトゥデイ)。
障がいにも屈せずに、見事夢を叶えた『マリッサ・ボーディ』の今後の活躍が楽しみです。

一番印象に残ったシーン
物語の後半、多くの学生達であふれ返るダンスホールに、エルファバが1人で降りてきた場面。
グリンダからプレゼントされた帽子をかぶることで、いつにも増して嘲笑の的になってしまったエルファバが1人で踊り出すシーンは、痛々しく目を逸らしたくなるものでした。
そこでグリンダが己の行いを悔い、一緒に踊り出して心を通じ合わせるシーンは、本作のクライマックスではないかと思いました。
少し残念な点
ダンスホールのシーンの後、エルファバとグリンダが友情を育む場面がもっと欲しいと感じました。
グリンダが「エルファバを人気者にする」と宣言してからが、あまりにあっと言う間の出来事となっていたのでもう少し時間を割いて欲しかったです。
最後に
161分の上映時間を長く感じさせない、全く無駄なシーンのない見どころ満載の名作でした!
『善』、『悪』や近年の社会情勢などを考えながら鑑賞してもよし、ミュージカル大作として難しいことを考えなくてもよし。
気になった方はぜひ映画館へ。
また、もしよかったらその他の映画の感想・レビューも御覧ください。



最後までお読みいただきありがとうございました。ソークディー!
