2025年9月30日(火)、上野の東京都美術館で12月21日(日)まで開催予定の『ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢』に行ってきました。
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890年)は、オランダ出身のポスト印象派の画家。
独特の筆づかいと鮮やかな色彩で、強い感情や精神世界を描いたことで知られています。
生前はほとんど評価されませんでしたが、死後にその芸術性が高く認められ、今では世界で最も有名な画家の一人となりました。
誰もが知る『ひまわり』や『耳に包帯を巻いた自画像』、『星月夜』などの代表作は、今回の展覧会では展示されていません。それでも、見ごたえは十分!
本展では、初期から晩年までのゴッホ作品30点以上に加え、ファン・ゴッホ家の“家族のコレクション”に焦点を当てています。
没後130年以上たった今、私たちがこうしてゴッホの作品を目にできるのはなぜか──。
それは、彼の才能を信じ、支え、そして受け継いだ家族の存在があったからです。
べたきちは、ゴッホの家族、特に弟テオとその妻ヨーの行動力に心を打たれました!
ゴッホ好きの方はもちろん、絵画を通して人間の精神世界をのぞいてみたい方、そして歴史を学ぶ学生さんにもおすすめです。
しかも、18歳以下は入場無料!ぜひ平日をねらって、ゆったりと訪れてみてください。
他のミュージアムの記事、上野の記事、谷根千の記事、障がい者割引の記事はこちら。
※土日、祝日および12月16日(火)以降は日時指定予約制。
※会場内の写真撮影は一部展示を除き不可。イマーシブコーナーはフラッシュなしなら可能。
※訪問前は東京都美術館公式サイトで最新の情報を確認してください。
※記事内の情報・価格は、訪問当時のものです。

アクセス・ベビーカー・車いす貸出

アクセス
上野駅から徒歩で正門へ


JR上野駅の「公園改札」から徒歩約7分、東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅「7番出口」から徒歩約10分、または京成電鉄京成上野駅から徒歩約10分で正門に到着します。
正面エントランスはロビー階(地下1階)にありますが、エレベーターで移動できるため、車いすの方でも問題ありません。
※東京都美術館には専用の駐車場はありません。
足腰の不自由な方はタクシーで通用門へ

べたきちは足が不自由なため、タクシーで訪れました(※詳細はプロフィール参照)。
タクシーでは、裏手にある通用門へ。降りた後、警備員さんに声を掛けると、中に案内してもらえました。
※優先駐車場を希望する方は、事前に東京都美術館(03-3823-6921)へご相談ください。
ベビーカー・車いす貸出

ベビーカー(5台)・車いす(28台)は、中央棟ロビー階のインフォメーションスタッフの方に声をかけると、無料で借りることができます。
べたきちは、通用門から入った際に近くの警備員さんにお願いして、車いすを貸してもらいました(感謝)。
※詳細は東京都美術館公式サイトの「バリアフリー・アクセシビリティ情報」をご覧ください。
料金・障がい者割引
料金
当日券 | |
一般 | 2,300円 |
大学・専門学校生 | 1,300円 |
65歳以上 | 1,600円 |
18歳以下・高校生以下 | 無料 |
学生、65歳以上や18歳以下の方は、証明できるものをチケット売場で提示してください。
障がい者割引
障がい者とその付添い者1名は入館無料。チケットの購入は不要です。
対象の手帳は、身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳です。
証明できるもの、手帳などを会場入口で提示してください。
混雑状況・所要時間など
混雑状況

火曜日の14時20分頃に入館しました。平日だから空いているだろうと思っていましたが、甘かったです⋯。
『チケット売場』にはすでに行列ができていました。(※事前チケット購入者や障がい者手帳をお持ちの方は並ぶ必要はありません)
会場内もかなり混雑しており、絵画を観るときは一列になって、ゆっくりと進む感じでした。
車いすでの観覧中、他の方にぶつかってしまう場面も数回ありました(すみません⋯)。
スタッフの方に伺ったところ、平日でも午後は特に混み合うそうです。さすがはゴッホ、ネームバリュー恐るべし!
混雑を避けたい方は、平日の開館直後(9時30分頃)、または夕方の来館がおすすめとのことでした。
特別展の開催中は、毎週金曜日は夜8時まで開館しているので、仕事帰りに立ち寄るのもいいですね。
会期末が近づくほど混雑が予想されますので、早めの観覧をおすすめします。
※土日・祝日および12月16日(火)以降は、日時指定予約制です。
所要時間
14時25分から16時25分までの約2時間かけて観覧しました。
芸術に疎いべたきちでもこれだけ時間がかかったので、ゴッホ好きな方、週末に来館される方、特設ショップに寄る方などは3時間は想定しておくと良いかと思います。
バリアフリー情報
会場は地下1階から2階までの3フロア構成になっています。
車いすをご利用の方も、エレベーターで上下階へ移動できるため問題ありません。
会場内は全体的に平坦で、バリアフリーに対応しています。
ただし、先述の通り、混雑時には車いすでの観覧が少し大変に感じる場面もあるかもしれません。
各階には車いす対応トイレが設けられているため、車いすユーザーでも安心です。
詳細は東京都美術館公式サイトの「バリアフリー・アクセシビリティ情報」に掲載されている『東京都美術館バリアフリーガイド』をご覧ください。
べたきち的見どころ
※掲載写真は撮影可能なイマーシブコーナーで撮ったものです。
ポスターにも!《ゴッホの自画像》

なんといっても、今回の展覧会で一番の見どころは、ポスターや看板にも大きく使われている『画家としての自画像』。
ゴッホらしい、力強くて迫力のある筆づかいを間近で感じることができます。
この絵の前には、やはり多くの人が集まり、熱心に見入っていました。
共同生活は難しい⋯!《ゴーギャンの絵画》
ポール・ゴーギャンは、19世紀末に活躍したポスト印象派の画家で、1888年にはフランス南部アルルでゴッホと約2ヶ月間、共同生活を送りました。
しかし、芸術観や性格の違いから2人は激しく衝突し、最終的にはゴーギャンが去り、ゴッホが精神的に不安定になるきっかけになったといわれています。
学生時代に寮やルームシェアで6年間共同生活をしてきたべたきちとしては、そんな“元ルームメイト”の作品がやっぱり気になります。
今回の展覧会では、ゴッホ兄弟のコレクションから、ゴーギャン作『クレオパトラの壺』と『雪のパリ』の2点が展示されています。
かつて共に暮らした友人の作品を、ゴッホはどんな気持ちで眺めたのでしょうか⋯。
ゴッホに影響を与えた!《浮世絵》

19世紀末のヨーロッパでは、日本の浮世絵や着物、陶磁器などの文化に強い関心が集まり、『ジャポニスム』と呼ばれるブームが起こりました。
なかでも『浮世絵』は、ゴッホやモネといった画家たちに大きな影響を与え、彼らの作品に新しい発想と色彩感覚をもたらしたといわれています。
今回の展覧会では、『歌川広重』や『歌川国貞』などによる『浮世絵』5点が展示されています。
また、ゴッホが広重の『名所江戸百景 亀戸梅屋舗』から影響を受けて描いたとされる『種まく人(1888年)』も見ることができます。
浮世絵とゴッホのつながりを意識しながら鑑賞すると、日本人としてちょっぴり誇らしい気持ちになりました。
※浮世絵の作り方については、過去記事『印刷博物館』の「浮世絵版画のできるまで」の項目を参照。

義兄の才能を信じて⋯!《義妹ヨーの尽力》

今展覧会のサブタイトルは『家族がつないだ画家の夢』。
なかでも私が一番心を打たれたのは、家族の絆──特に弟テオの妻、ヨーの尽力です。
ゴッホは、1890年に37歳という若さでピストル自殺するまで、ほとんど作品が売れず、死後に評価が高まったことで知られています。
では、なぜ死後にこれほどの名声を得ることができたのか?
それは、ヨーが類まれなる先見性と行動力を持っていたからです。
ゴッホとテオが相次いで亡くなったあと、ヨーは2人の遺した絵画や書簡を大切に保管し、公開を進めることで、ゴッホの名を世に広めることに生涯を捧げました。
彼女は各地で展覧会を精力的に開催し、作品を戦略的に紹介・販売していきました。
その結果、ゴッホの才能はようやく世界に認められることとなったのです。
今、私たちがゴッホの絵を目にすることができるのは、間違いなくヨーのおかげです。
血のつながらない義兄のために、ここまで人生を懸けられるものなのか⋯。
ヨーの深い愛と信念に思いを馳せながら観覧すると、胸が熱くなりました。
壁一面の大迫力!《イマーシブコーナー》


高さ約4m、幅14m、奥行き5m以上もある大空間で、ゴッホの世界を全身で体感できるイマーシブコーナー。
ここでは、写真(フラッシュなし)や動画の撮影、SNS投稿もOKということで、スマホを構えている方がたくさんいました。
約4分間の上映は、あっという間に感じるほどの迫力で、べたきちは思わず2回連続で観覧してしまいました。
高精細なゴッホ作品に全身が包み込まれるような、不思議で贅沢な体験ができました。
最後に
ゴッホの才能はもちろん、それを信じ続けた弟テオ、そして作品を世に広めた義妹ヨーの家族愛と行動力に感動しました。
ゴッホが世界的な画家になれたのは、彼らに強い絆があったからこそなんですね。作品を見る目がガラッと変わる、素敵な体験できる展覧会でした。
まだまだいっぱい見どころはあるので、ぜひ現地で個人的見どころを発見してください!
また、都美館の帰りには、歴史を感じながら、谷根千散策もしてみてくださいね。
ぜひ他のミュージアムの記事、上野の記事、谷根千の記事、障がい者割引の記事もご覧ください。

開催情報
名称 | ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢 |
開催期間 | 2025年9月12日(金)〜12月21日(日) ※土日、祝日および12月16日(火)以降は日時指定予約制 |
開催場所 | 東京都美術館 東京都台東区上野公園8-36 |
開館時間 | 9:30~17:30 ※特別展開催中の金曜日:9:30~20:00 ※いずれも入館は閉館時間の30分前まで |
休館日 | 月曜 10月14日(火)、11月4日(火)、11月25日(火) ※祝日・振替休日の場合は翌平日 |
入館料(税込) | 一般 2,300円 大学・専門学校生 1,300円 65歳以上 1,600円 18歳以下・高校生以下 無料 ※障がい者とその介護者1名は無料 入場の際に障害者手帳等を提示してください |
公式URL | https://gogh2025-26.jp/ |
最後までお読みいただきありがとうございました。ソークディー!




