2025年12月21日(日)と23日(火)の2日間、上野の国立科学博物館で2026年3月1日(日)まで開催予定の企画展『ワニ』に行ってきました。
『ワニ』は、約2億年前から姿をほとんど変えていない、爬虫綱ワニ目に属する動物。
恐竜を滅ぼした約6,600万年前の大絶滅(K-Pg境界)を乗り越え、現在では“水辺の王者”として、世界各地に生息しています。
現在、ワニはクロコダイル科・アリゲーター科・ガビアル科の3科27種が知られており※1、本展では、そのうち3科18種の多彩な標本が展示されています。
最近、ワニ熱が高まってきたべたきちは、一度の観覧では満足できず、間を空けずに再訪してしまいました。
本展では、生物としてのワニだけでなく、人とワニとの文化的な結び付きや、今後の共存の課題についても紹介されています。
観覧後には、ワニに対する見え方が変わること間違いなし!
ぜひ、”推しワニ”を見つけてみてください。ちなみに、私の”推しワニ”は『シャムワニ』です。
ワニや恐竜好きな方はもちろん、巨大生物好きな方や、怖いものに興味のある方、多様な文化を知りたい方にもおすすめです。
※1:今後の研究により、種数が変動する可能性があります。
他のミュージアムの記事、上野の記事、谷根千の記事、障がい者割引の記事はこちら。
※トップ画像は、クロコダイル科の『ニューギニアワニ』。
※写真・動画撮影可能。フラッシュの使⽤は禁止。
※訪問前に国立科学博物館公式サイトで最新の情報を確認してください。
※記事内の情報・記事内の価格は、訪問当時のものです。


料金・障がい者割引など
一般・大学生は630円、高校生以下は無料。
本企画展は、常設展示の入館料のみで観覧可能です。
障がい者割引・車いす貸出については、企画展『学習マンガのひみつ』の記事内の「料金・障がい者割引など」の項目をご覧ください。
ただし、2月23日(月・祝)までは、特別展『大絶滅展』(過去記事)も開催中なので、1日で両方観覧するのがおすすめです。

混雑状況・所要時間など
混雑状況


12月21日(日)は、15時30分頃に入館しました。
本展は、過去の企画展に比べて、格段に混雑していました(参照:企画展『学習マンガのひみつ』、企画展『量子の世紀』、企画展『貝類展』)。
通路幅が狭い場所では、車いすでの観覧は大変に感じました。
12月23日(火)は、14時15分に入館しましたが、日曜日よりもだいぶ進みやすく、観覧しやすかったです。
ベビーカーや車いすをご利用の方は、平日の訪問をおすすめします。
所要時間
12月21日(日)は15時30分から16時45分までの約1時間15分、12月23日(火)は14時15分から15時05分までの約50分かけて観覧しました。
30分〜1時間程度を想定しておくと良いかと思います。
ワニ好きな方や、解説文を丁寧に読みたい方は、もう少し時間に余裕をもって訪れるのがおすすめです。
特別展『大絶滅展』(過去記事)を同日に観覧予定の方は、両方合わせて半日はかかると思ってください。
バリアフリー情報
企画展会場である日本館1階企画展示室と中央ホールの展示は、全体的に段差のないバリアフリー設計になっていました。
ただし、前述のとおり、混雑状況によっては、車いすでは観覧しづらく感じるかと思います。
また、受付入口から日本館へ向かうバリアフリールートはやや分かりにくいため、注意が必要です。
エレベーターの場所などが分からない場合は、スタッフの方に尋ねて案内してもらってください。
べたきち的見どころ

映える!《下から見るマレーガビアル》

『マレーガビアル』は、東南アジアに生息するガビアル科のワニ。細長い吻※(ふん)が特徴的です。
日本館1階中央ホールを見上げると、ガラスの天井には、マレーガビアルが鎮座しています。
見上げながら写真を撮ると、映え写真が撮れること間違いなし!見過ごさないでね。
※口先の部分のこと
ラオスにもいる!?《シャムワニ》


『シャムワニ』は、かつて東南アジアに広く生息していましたが、現在はほとんどの地域で姿を消してしまった、クロコダイル科のワニ。別名タイワニ。
べたきちが、かつて海外協力隊として赴任していたラオスにも生息している可能性があるワニということで、個人的にも注目しました。
べたきちは大きな川の近くに住んでいましたが、現地で見かけることは一度もありませんでした。
それもそのはず。野生個体は、数百匹未満と考えられており、幻のワニのようです。
ちなみに、このシャムワニは、野生下では絶滅の危機に瀕している一方で、ワニ革をとる目的で盛んに養殖されています。
ワニ革製品をお持ちの方、もしかすると『シャムワニ』かも!?
コビちゃん!《坂崎幸之助さんの飼育ワニ》


『コビトカイマン』は、南アメリカに生息するアリゲータ科のワニ。世界最小のワニのひとつ。
なんと会場には、THE ALFEEの坂崎幸之助さんが飼育していた『コビトカイマン』の剥製が!
名前は“コビちゃん”といい、約20年にわたって飼育されていたそうです(参照:坂崎幸之助さんのInstagram)。
THE ALFEEのファンの方は、特に必見ですね。
ミイラにされた!《セベクワニ》



2025年3月『ラムセス大王展』にて
『セベクワニ』は、アフリカに生息する、クロコダイル科のワニ。別名ニシアフリカワニ。
『セベク』とは、古代エジプト神話に登場する、頭部がワニの神のことです。
かつてはナイルワニと混同されていましたが、近年の研究により、ナイルワニとは別種であることが確認されています。
古代エジプトで作られていたワニのミイラの多くが本種であった、と展示説明がありました。
私たちは、特別展『ラムセス大王展』(過去記事)でワニのミイラを見ていたこともあり、とても印象に残りました。

ムベンベと千石正一さん!《フクスクチナガワニ》


『フクスクチナガワニ』は、アフリカに生息するクロコダイル科のワニ。別名チュウオウアフリカクチナガワニ。
2018年にアフリカクチナガワニから独立した別種として分類された、比較的新しい種です。
べたきちがこのワニでとても驚いたのは、キャプションの一番下に『モーケレ・ムベンベ』と『千石正一さん』の名前を見つけたからです。
『モーケレ・ムベンベ』とは、アフリカ中央部に伝わる未確認生物(UMA)です。ネス湖のネッシーみたいなものですね。

現地の言葉では、”水の流れをせき止める者”を意味します。現在でもその正体は判明しておらず、とても興味をそそられる怪獣です。
べたきちは、この『ムベンベ』を調査したノンフィクション作家・高野秀行さんの著作を愛読していたので、「まさかその探検の際に採集したワニが新種となっているとは」と、かなりびっくりしました!
高野秀行さんは、TBSのテレビ番組「クレイジージャーニー」などにも出演したことがある秘境作家で、どの著作でも未知の世界を知ることができます。
ちなみに、ラオスに興味がある方には、麻薬の大量生産地として知られたゴールデン・トライアングルで長期生活した記録「アヘン王国潜入紀」がおすすめです。
『千石正一さん』は、TBSの動物番組「どうぶつ!奇想天外」に出演していた名物先生です。べたきちは、幼少期にこの番組を毎週楽しみに観ていました。
まさか、このワニを通して『ムベンベ』と『千石先生』が交錯するとは思わず、驚きとともに、懐かしさを覚えました。

野生下150匹未満!?《ヨウスコウワニ》


『ヨウスコウワニ』は、中国の長江下流域の揚子江(ようすこう)にのみ生息する固有種で、アリゲーター科の小型のワニ。
現存するワニの中でも最も北に分布し、ユーラシア大陸に生息するアリゲーター科唯一の種として知られています。
環境破壊などの影響により個体数は激減しており、野生下の個体数は150匹未満と推定されています。
日本に最も近い場所に生息しているワニが、この『ヨウスコウワニ』です。
現生爬虫類で最大!《イリエワニ》

頭骨の右側面には銃痕が!

野生下では絶対会いたくない!
『イリエワニ』は、インド太平洋地域に広く生息する、クロコダイル科に属する世界最大級のワニ。
名前が示すとおり、入江のような海水と淡水が混ざり合う汽水域に生息し、非常に行動範囲が広いことで知られています。
気性が荒く、『人食いワニ』として知られ、実際に人を襲った事例がニュースになることもあります。
巨大生物好きな方には外せない存在で、復元画は大迫力!フォトスポットとしても人気です。
頭骨に残る銃痕も見逃せません。
生物としての人間の無力さを、あらためて実感させられます⋯。
オギャー!《クチヒロカイマンの赤ちゃん》

『クチヒロカイマン』は、中南米に生息するアリゲーター科のワニで、幅広く、がっしりとした口先が名前の由来です。
べた妻の一番印象に残った展示が、『クチヒロカイマン』の赤ちゃんの剥製でした。
まるでオギャーと声が聞こえてきそうで、とてもかわいらしい。
「あのままの小さなサイズならいいのに」と思ったそうです。
古代の巨体!《マチカネワニ》


『マチカネワニ』は、約46万年前の地層から発見された、すでに絶滅した大型のワニ。
1964年に、大阪府の待兼山(まちかねやま)から化石が見つかったことから、その名前が付けられました。
この発見により、日本列島にもかつて大型のワニが暮らしていたことが明らかになりました。
私たちは、2025年11月に『熱川バナナワニ園』に訪れた際に、『マチカネワニ』の大きな復元全身骨格標本を見ていたので、本展でも特に注目しました(伊豆旅行の様子は過去記事『伊豆2日間旅行』を参照)。
大阪大学の至宝-マチカネワニ・ホロタイプ-
マチカネワニ化石は、2025年9月18日付けの官報にて、天然記念物に指定されました。大阪府下での指定は69年ぶりです。
引用:マチカネワニ│大阪大学総合学術博物館
本展で展示されている頭骨はレプリカですが、本物の化石は昨年に、国の天然記念物に指定されたそうです。
今度は、天然記念物の『マチカネワニ』を見に、大阪大学総合学術博物館(公式サイト)へ行きたいです!
ここにも熱川ばにお!《特設ショップ》

日本館地下1階のミュージアムショップの一角では、企画展『ワニ』関連のグッズが販売されています。
最近、ワニへの興味が一気に高まってきたべたきちは、『ワニ大図鑑』(7,040円)を購入しました。
非常に詳しく書かれており、本記事を書くにあたっても参考にさせていただきました。
最後に
ワニという生物の奥深さを、あらためて実感できる企画展でした。
太古からほとんど姿を変えずに生き延びてきた、生物としての偉大さだけでなく、人との関わりや文化、そして絶滅危惧という現代的な課題まで、幅広く知ることができました。
巨大で怖い存在というイメージだけでは捉えきれない、ワニの多面的な魅力に触れ、ワニ沼にハマること請け合いです。
観覧後は、きっとあなたにも“推しワニ”ができているはず!
まだまだいっぱい見どころはあるので、ぜひ現地で個人的見どころを発見してください!
また、歴史を感じながら、谷根千散策もしてみてくださいね。
ぜひ他のミュージアムの記事、上野の記事、谷根千の記事、障がい者割引の記事もご覧ください。
※参考書籍:中井 穂瑞領 (2023). 『ワニ大図鑑:分類・進化・生態・法律・飼育について解説』 誠文堂新光社.
開催情報
| 名称 | 『ワニ』 |
| 会期 | 2025年11月26日(水)~2026年3月1日(日) |
| 休館日 | 月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日) ※2月16日(月)、2月23日(月・祝)は開館 |
| 開館時間 | 9時~17時(入館は16時30分まで) |
| 入館料 ※当日券 | 一般・大学生:630円 常設展示入館料のみで観覧可能 高校生以下および65歳以上は無料 ※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料 ※学生証、各種証明書を入場の際に提示してください |
| 会場 | 国立科学博物館 東京都台東区上野公園7-20 |
| 公式URL | https://www.kahaku.go.jp/ |
最後までお読みいただきありがとうございました。ソークディー!









