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べたきち
四肢麻痺の身体障がい者で手帳保持のアラフォー。
30歳でギラン・バレー症候群、脊髄炎を発症、さらに再発し病名が指定難病CIDPに変更される。
元理科教員であり、興味関心の幅広め。
毎週末、妻と博物館や映画へ繰り出す。
東京在住で谷根千、上野近辺によく出没する。
難病障がい者がアクティブ活動に役立つ情報を発信します!

【体験記】なぜ似てる!?『どうしてなんだか似てる服』文化学園服飾博物館│所要時間、混雑状況、個人的見どころなど

ウズベキスタンと日本の絣
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2025年5月10日(土)、新宿の文化学園服飾博物館で2025年6月21日(土)まで開催予定の展覧会『どうしてなんだか似てる服』に行ってきました。

前回の展覧会『あつまれ!どうぶつの模様』については、以下の記事を参照。

世界には地理的に離れた国、文化であるのに、『かたち』や『もよう』が似ている衣類が数多くあります。

本展では、約30ヶ国の『似てる衣類』が展示されており、それらが似ている理由や共通点についての考察が紹介されています。

服飾好きなべた妻は、かつての海外旅行において出会った、民族衣装への理解が深まり印象が変わったと喜んでいました。

後ほど、べた妻が撮った写真を交えて紹介します。

生物学が専門のべたきちとしては、『生物の収れん進化』のようだという感想を持ちました。

『収れん進化』については、最後に少し解説します。

服飾好きな方はもちろん、デザインを学びたい方、民俗学・文化人類学好きな方にもおすすめです。

私達は、『どうしてなんだか似てる服』の後、初台駅の東京オペラシティアートギャラリーで開催されている展覧会『LOVEファッション─私を着がえるとき』に行きました。

新宿圏内で開催されているファッション関係の展覧会なので、はしごして観覧するといいですよ!

他のファッションの記事ミュージアムの記事ラオスの記事はこちら。

※写真撮影に制限があり、展示内容は撮影できません。

※行く前は公式サイトで最新の情報を確認してください。

目次 読みたい場所へジャンプ!

アクセス・車いす貸出

アクセス

新宿駅からのアクセス方法については、公式サイト「電車をご利用の場合」に写真付きで詳しく掲載されています。

階段を避ける場合や車いすユーザーの方は、この「地上ルート」で向かってください。

階段部分はありますが、「地下ルート」では、雨や暑さを避けることができます。

スタッフの方々、分かりやすく掲示していただきありがとうございます。

車いす貸出・バリアフリー情報

車いすの貸出・バリアフリー情報については、過去記事のこちらをご覧ください。

料金・開館時間

料金・障がい者割引

個人団体 (20名以上)
一般1,000円800円
学生(中高大)500円400円
小学生以下無料無料

障がい者とその付添者1名は無料です。

障がい者の方は、受付で障がい者手帳(ミライロID可)、または証明書を提示してください。

開館時間 注意!

2025年4月から開館時間が変更になっており、土曜日の開館時間が短くなっています。

開館時間を過ぎてから入館しようとする方が数名いたので、ご注意ください。

開館時間例外
月~金10:00~16:306/13(金)は19時まで開館
土曜日10:00~15:005/31(土)は16時半まで開館

休館日は、日曜、祝日、振替休日です。ただし、5/25(日)、6/15(日)は15時まで開館。

入館は閉館の30分前まで。

混雑状況・所要時間

土曜日の13時40分に入館しましたが、混雑はしていませんでした。車いすでも問題なく観覧できました。

私達は、閉館時間の15時までの約1時間20分かけて観覧しました。

展示をしっかりと見たい方は、1時間〜2時間の所要時間を想定しておくといいと思います。

展示紹介 ※写真撮影可能部分のみ

EXPO❜70関連資料紹介 当時の衣類など
EXPO❜70関連資料紹介
EXPO❜70の記念写真集
EXPO❜70の記念写真集
EXPO❜70を紹介する雑誌
EXPO❜70を紹介する雑誌
小学生のテストを模した展示が壁一面に貼ってある
小学生のテストを模した展示が壁一面に貼ってある

2階の踊り場には、1970年の大阪万博『EXPO❜70』関連の資料と、小学生のテストを模したクイズ形式の展示があります。

しかし、企画展示室内の衣類については、写真撮影はできません。

ぜひ、現地に赴いてその目で見てください!

べた妻的見どころ

『貫頭衣(かんとうい)』 = 『ポンチョ』

ペルーのポンチョのイラスト
ペルーのポンチョ
大きな耳輪を付け、貫頭衣を着るカレン族の少女
大きな耳輪を付けるカレン族の『貫頭衣』
首輪を付け貫頭衣を着るカレン族の女性
首輪を付けるカレン族の『貫頭衣』 2枚とも、べた妻2015年12月タイにて撮影

『貫頭衣』は2枚の布をはぎ合わせた衣服であり、首腕が通る部分を縫い残し、頭を通して被ります。

べた妻は、2015年に貫頭衣を着る民族、タイのカレン族の村を訪れました。

訪問時には、首や耳のアクセサリーにばかり注目していましたが、今展示を見て、貫頭衣を代表するペルーの『ポンチョ』と形が同じことに驚きました。

地理的に離れていても形は一緒なことに、不思議さを感じます。

『短いスカート状の衣服』

『短いスカート状の衣服』 を着るベトナムの花モン族の女性の幼児
花モン族の『短いスカート状の衣服』 べた妻2016年3月ベトナムにて撮影

山岳地域や山間部に暮らす民族は、高低差のある険しい山道を歩くことが日常です。

そのような環境下では、大きく踏み出す際の足や膝の動きを妨げず、裾を踏むことがないよう丈は短めになります。

べた妻が2016年にベトナムの山間部サパを訪れた際には、ウエストにギャザーやプリーツを寄せて裾を広げた『短いスカート状の衣服』を着る花モン族に出会いました。

当時は『短いスカート状の衣服』に、ただただかわいいという印象を持っていました。

しかし今展示で、『スカートの形状』に山間部での活動効率が影響していたことを知り、感嘆しました。

他にも、台湾のパイワン族、中国のミャオ族、ペルーのクスコ、チェコの南モラヴィア州シャルディツェでも同様の衣服があるようです。

いつか他の民族衣装も見てみたいです。

『脚絆(きゃはん)』 = 『ゲートル』

『脚絆』を履くベトナムの黒モン族の女性
黒モン族の『脚絆』 べた妻2016年3月ベトナムにて撮影
『脚絆』を履くベトナムの花モン族の女性達
花モン族の『脚絆』 べた妻2016年3月ベトナムにて撮影
『脚絆』を履くタイのアカ族の女性達
アカ族の『脚絆』 べた妻2015年12月タイにて撮影

『脚絆』、フランス語で『ゲートル』は、脛の部分に巻く布のことを指します。

険しい山道を歩行したり、長時間歩き続けるなどには、脛に布などを巻いて下肢を締め付けることで鬱血を防ぎ、足の疲労を軽減させ、同時に寒さから保護することができます。

山岳民族の足元にはレッグウォーマー的なものを履いているなという漠然とした印象を持っていましたが、生活の知恵が隠されていることにびっくり!

山岳民族に多く、ブルガリアや台湾、タイのラフ族、ベトナムのヌン族などにも見られるようです。

ちなみに、べたきちにとって『脚絆』と言えば、漫画『ゴールデンカムイ』の主人公『杉元佐一』が履いているものというイメージです。

なんでも、日露戦争中に日本陸軍に採用されたとのこと。いろんな国、時代に繋がりますね!

(かすり)』

べた妻所有のラオスの絣模様のある衣類3着
べた妻所有のラオスの『絣模様』のある衣類

『絣』とは、織り糸をあらかじめ染め分け、それを機にかけて織り上げる技法のことです。

日本の代表的な織りの技法である『絣』は、伝統的な柄として私たちにとって馴染み深いものですが、同様の技法が多くの国でも伝わっていることに驚かされます。

ウズベキスタンでは、日本とは制作工程に違いがあるものの、どちらの国の衣類にも幾何学模様や具象的な花模様などが表現されています。

べた妻もこの模様が大好きで、ラオスの『絣模様』が施された衣類を多数所有しています。

『絣』は、人間が本質的に好む模様なのかもしれませんね。

コラム 『似てる服』と『収れん進化』について

イルカのシルエット
流線型のイルカ(哺乳類)
サメのシルエット
流線型のサメ(魚類)

『似てる服』は、地域が異なっていても、気候や暮らし方が似ていることで、自然と共通点が生まれてくることが分かりました。

先述のとおり、これは『生物の収れん進化』と同様の現象だと感じました。

『収れん進化』とは、異なる系統の生物が、似た環境に適応した結果、形態や性質に共通の特徴を持つようになる進化のことです。

例えば、イルカとサメの体の形は、どちらも流線型で非常によく似ています。

両者は哺乳類と魚類というまったく異なるグループに属していますが、どちらも海で高速に泳ぐ進化を遂げた結果、体やヒレなどの形が似たと考えられています。

その他にも、鳥とコウモリの翼、有袋類と有胎盤類の類似など、『収れん進化』の例は数多く知られています。

このように、『衣類の類似性』と『生物の収れん進化』との共通点を考えながら観覧すると、より一層楽しめますよ!

進化についての知識を深めたい方には、『進化と人間行動 第2版』をおすすめします。

この書籍は「生物としてのヒト」という視点から、心や体、行動の進化的背景を読み解いています。

もともとは大学生向けの教科書として執筆されたものですが、とても平易な文体で書かれており、現代社会を生きるすべての人にぜひ読んでいただきたい一冊です。

最後に

本展は2025年6月21日(土)まで、東京オペラシティアートギャラリーでの展覧会『LOVEファッション─私を着がえるとき』は2025年6月22日(日)まで開催されます。

『LOVEファッション』は連日19時まで開館しているので、『似てる服』を見た後に、はしごすることをおすすめします。

ちなみに、次回の展覧会戦後80年企画『衣服が語る戦争』は2025年7月16日(水)~2025年9月20日(土)に行われる予定です。

こちらにも、行ってみたいと思っています。

まだまだいっぱい見どころはあるので、ぜひ現地で個人的見どころを発見してください!

また、ぜひ他のファッションの記事ミュージアムの記事ラオスの記事もご覧ください。

開催情報

名称どうしてなんだか似てる服
所在地〒151-8529 東京都渋谷区代々木3-22-7
新宿文化クイントビル1階 文化学園服飾博物館
会期2025年4月3日(木)~ 2025年6月21日(土)
開館時間月~金 10:00~16:30
4/25(金)、6/13(金)は19:00まで開館
土曜日 10:00~15:00
4/19(土)、5/31(土)は16:30まで開館
(入館は閉館の30分前まで)
休館日日曜、祝日、振替休日
4/6(日)、5/25(日)、6/15(日)は15:00まで開館
入館料一般1,000(800)円、学生500(400)円、小学生以下無料
( )内は20名以上の団体料金
障がい者とその付添者1名は無料
アクセス電車: JR・京王線・小田急線 新宿駅(南口)より徒歩7分
都営地下鉄新宿線・大江戸線 新宿駅(新都心口)より徒歩4分
地下道ワンデーストリート 出口O-1に隣接
都営バス: 新宿駅西口22番のりば(京王百貨店前)宿75出入系統 新宿車庫行き 文化服装学院前下車(乗車時間約3分)
公式URLhttps://museum.bunka.ac.jp/
ウズベキスタンと日本の絣

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